立つ、歩く、物を持つなど体を動かすために必要な部分を運動器といい、骨、関節、靭帯、腱、神経、筋肉などが含まれます。整形外科とは、これらの運動器の病気(疾患)や怪我(外傷)を診療する科です。頭と内臓以外はすべて整形外科の分野といえます。もし、体のどこかが痛いとか、事故で怪我をしたとか、手足が痺れて思うように動かせないといった症状があれば整形外科を受診してみてください。整形外科の病気であるのかはっきりしないことも多々あります。もし違っていても、必要な診療科に紹介させていただきます。
診療内容
Treatment Details
リウマチについて
関節リウマチは、関節が破壊され、変形して痛みが持続する病気です。最近の研究で、関節破壊は、関節リウマチの発症後、早期から進行することが明らかになりました。早期に発見して、早期から適切な治療を行えば、症状をコントロールし、関節破壊が進行するのを防ぐことができます。すなわち、早期に診断することが最も重要です。
関節リウマチの診断 ※1~3を総合して診断します
- 臨床症状(関節の腫れ、痛む関節の数、部位とその期間)
- 血液検査(CRP、赤沈、MMP-3、リウマチ因子、抗CCP 抗体など)
- 画像検査(関節のレントゲン、超音波検査)
関節リウマチの治療 ※1~3を組み合わせて行います
- 薬物療法
関節リウマチと診断されたら、リウマトレックス(MTX)をはじめとする抗リウマチ薬を使用し、関節破壊を抑制します。リウマトレックスの使用量を増やしても症状が緩和しない場合、生物学的製剤(エタネルセプト、シンポニー、アクテムラなど)を使用した治療を行います。 - リハビリテーション
関節の機能や筋力の維持を目的として運動療法、温熱を利用し、痛みをやわらげる物理療法を行います。 - 外科的治療
関節の破壊が進行し、動きの制限が強く、疼痛が持続する場合、人工関節置換術などの
手術について相談します。
Treatment Details
リハビリについて
運動器のリハビリテーション治療は、運動器の機能が低下した状態、たとえば骨折、関節リウマチ、骨粗鬆症、変形性膝関節症のような関節が悪くなった状態、頚椎や腰椎が悪くなった脊椎疾患、スポーツによる運動器の障害、また最も頻度が高いと言われる腰痛、肩こりなど、運動器が障害された状態のときに行なわれます。
運動器のリハビリテーション治療は、低下した筋力や関節の動く範囲の改善を図り、立ち上がり、歩行、階段などの日常生活動作の獲得や、障害された機能を回復し職場復帰などの社会活動ができるように、また、より高度な能力が必要なスポーツ活動への復帰を目指して行なわれます。手術が必要な場合においても、手術前には評価や予想される状態への対応として行い、手術後はできるだけ早期から機能向上を目的として行ないます。